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この本がエロい!2018

 概念としての女が好きだ。

 うなじにかかる後れ毛、鎖骨や背骨のしっとりとした盛り上がり、二の腕やふくらはぎの肌感、「あの気配」としか言いようのないフェロモンは好ましい。

 さらに、ネコそっくりのくぐもった笑いや、サカリのついた艶やかな嬌声、触れるたびにトーンが変化してゆく概念も好ましい。女は楽器だ。腰の律動に応じた打楽器のようにも、手や口の運指により奏でられる弦楽器であり吹奏楽器のようにも振舞う。

 しかし、現実はそれら以外もひっくるめての「女」である。言っただの言わないだのくだらないマウンティングや、機嫌を直すためのめんどくさい手続き、イライラの被曝・感情爆風の巻き込まれといった現実も漏れなくついてくる。

 そんな現実をさっぴいて、概念のみを味わうのであれば2次元が良い。「女は2次元に限る」というのは、けしてリアルから目を背けているのではなく、概念としての女を楽しむための手段なのである。

 一般にアブノーマルと判定される行為や、現実なら淫行条例に触りまくる相手の、「概念」とつきあうのである。「そんなの都合良すぎ、ないわー」というツッコミ上等。都合が悪いのは現実だけで充分だ。

 そんな「概念としての女」を背景として、恒例となりつつある「えっちな本2018ベスト」をご紹介しよう。


写真とフェチ 視線のエロティシズム
花盛友里、須崎祐次、相澤義和、山本華漸ほか



 今年のベストフェチ。

 「概念としての女」のパーツパーツを切り出すと、様々な「好き」が見えてくる。

 「唇」「うなじ」「ふともも」「おしり」といったパーツや、「濡れたシャツの透け感」「白肌に汚泥」「下着の響き」などのシチュエーションに執着する人もいる。こうした他人の「好き」をカタログ的に横断することができるのが『写真とフェチ』である。

 たとえば、青山裕企「スクールガール・コンプレックス」の、机に突っ伏している女の子を上から覗き込むアングルとか、制服で体操座りするが絶妙な角度&深度で見えないとか。あるいは、山本華漸「蛸と美女」が強烈だ。白キャミの女の子と巨大な蛸。黒バックに真っ白に浮かび上がる肌に、ねっとりと絡みつく触手が、たいへん葛飾北斎している。

 他にも、剥き出た歯列、背中のくぼみ、黒タイツの響き、ひかがみといった様々な「好き」が次々と並べられており、嗜好の可能性は思考の可能性と軌を一にすることが分かる。つまり、好きに限界はないのである。官能と陶酔の感度を増やす写真集なり。

 「好き」の概念に溺れろ。


放課後の優等生
笹森トモエ

放課後の優等生放課後の優等生

 今年のベストシコリティ。

 昨年のクリスマスイブに公開した「このエロマンガがエロい!2017」のコメント欄で教えてもらったやつ(ありがとうございます!)。リビドーにモロに刺さるエロマンガですな。

 同人作家として活躍していたのが、商業誌でも描き始めたようだ。圧倒的な画力のクオリティがものすごく高い。女の躰のきれいなラインが眼福眼福するだけでなく、男に都合よすぎるシチュ&キャラなので、安心して読める。

 しかも(ここ重要!)、互いに「好き」なんだよね。「嫌よ嫌よも好きのうち」的な、なし崩し展開や寝取られセグメントもあるが、無理強い行為は勘弁な。笹森トモエ作品は、そういうのが無く、好きな男女が好きなだけ乱れるというやつ。あくまで好みの問題なのだが、これ大事。

 概念としての巨乳、概念としてのムワっとしたニオイ、そして概念としての女体が美しい。概念としての黒髪清楚女子高生に搾り取られる男の子が羨ましすぎる。

 うつくしくてうらやましい、シコリティ溢れる傑作。

幾日
幾花にいろ

幾日 【「咬合」1話無料サンプル付き】幾日 【「咬合」1話無料サンプル付き】

 今年のベストえっち。

 圧倒的なリアル感が凄い。概念としての女を探しに2次元に向かったにもかかわらず、体温、体感、匂いと臭いが伝わってくる。画面から美とエロが放射する感じ。

 ストーリーが一番良いなぁ。好きあう男女が一線を超えようとするときの引き合いの「えいやっ」といった思いが伝わってきてよい。ヘンにゲームな駆け引きやせず、(特に女性の)まっすぐに向かっていく素直さにニヤニヤする。

 さらに、手腕のしぐさが自然できれい。一つ一つ、たしかにそんな「動き」をする、そういやそういう風な姿勢をしてる、と思い当たることしばしば(ここもリアルを引き出している)。

 すごーくむかーしだけど、富樫『森の妖精のはなし』という、これまた傑作エロマンガがあったんだけど、この作品は下着や服のシワがポイント。ものすごく観察して描いており、シワがリアルを引き出している。それに比べると、『幾日』は腋や太ももから足にかけての皮膚のシワがリアルなり。

 以上、今年わたしを幸せにした概念としての女でした。

 よいエロ本で、よい人生を。

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エロとスケベの違いとは

 ここでは、エロとスケベについて考察する。エロもスケベも色を好むことだけれど、わたしの感覚では両者は異なっている。エロは好色・官能・媚惑的といった言葉がふさわしいが、スケベだと、もっと本能に訴える形容詞が欲しくなる。

 あ、最初に断っておくが、エロとスケベは二者択一のものではない。「どちらかというとエロい」とか「スケベっぽい○○」といった傾向的なものを指す。また、sex のあるなしは関係ないし、エロはプラトニックなものというつもりも毛頭ない。

 じっさい、キャミソール姿の嫁にエロを感じて欲情し、後ろから挑んだこともある。あるいは、互いの汗や愛液にまみれて交合しているとき、感覚的に自他が一体化していて、スケベなのは自分なのか嫁なのか分からなくなったときもある。つまり、嫁さんにエロスもスケベも両方感じ取れる、というわけ。

 では、両者の違いはどこにあるのか?

 それは、感覚の違いにある。

  • 視覚・聴覚で感じるのがエロ
  • 触覚とか味覚とか、より本能に近いところでの感覚で味わうのがスケベ

 あるいは、相手との距離があるところで伝わってくるのがエロ、くっつきあって流れ込むのがスケベ感覚なり。ただし、同じ感覚の中でも「におい」は別格なので要注意→匂いがエロで、臭いがスケベ。これはひょっとすると、人によるかもしれない。カマンベールチーズの独特な"におい"を好む人もいれば、「カビ臭」だと感じる人もいるように。

  • 匂い:良い"におい"→かすかなコロンやシャンプーの香り
  • 臭い:悪い"におい"→愛液や汗、わずかに尿の入り混じった生臭さ


 エロマンガで例えれば、「ガールズシャワー」と「エロい本」といったところか。

ガールズシャワー

 「ガールズシャワー」は、2chの昨年のエロマンガランキングでトップ奪った作品で、近親相姦ものが妙にせつなくかつエロい。無毛のエロリは認めない派のわたしだが、不覚にもハマってしまった。泣きながら騎上位の妹に、せつなさみだれ撃ちになるはず。あるいは、白板でない高校生カップルものはコミカルでエロい。濡場の書き込みは、キッチリ仕事しているのでイヤらしいことおびただしいが、「エロ」の領域を出ない。つまり、「におい」が感じ取れない。

エロい本

 その一方、有毛というか、剛毛のお姉さんたちの官能的な日常を描いた「エロい本」は、エロいというより、スケベマンガというべし。メイド、眼鏡、オタク、兄妹、看護婦、委員長のキャラは違えども、毛むくじゃらのアソコから臭ってくるようだ(しかもキツめのやつ)。「ガールズシャワー」の愛液がサラサラしているなら、こっちのお姉さんのやつはドロドロ、しかも白濁しているに違いない。sex とは、互いの体液を混じり合わせて、その生々しい臭いにまみれる行為だと思えてくる。

 小説で例えていいなら、「ROOM NO.1301」と「花と蛇」になるだろうか。前者がひたすらエロい小説で、後者はスケベ心を1200%満足させる作品なり。

 「ROOM NO.1301」は、ツンデレ小説としても名高いが、それだけでない。肝心の濡場は省略してあって、その行為を振り返った会話とか、思い出し(顔真っ赤)の描写によって、読者に忖度させる高等テクを用いている。したがってこれは、プラトニックな恋愛話ではない。ボーイはガールと出会うだけでなく、やることをちゃんとヤっている(犯らざるをえなくなっている、というべきか)。高校生にとって、sex は確かに大切なテーマなんだけど、それに囚われちゃいけない。もっと大切なのは、そこへいたるまでの"恋愛"だ、ということを繰り返し読者に思い起こさせている。読み手は、行為の後の残り香をかぐような感覚を楽しめることを請合おう。

 その対極が「花と蛇」。誘拐→緊縛→浣腸→剃毛→○○→××プレイと、ワルい奴らが誘拐してきた令嬢・貴婦人にありとあらゆるイタブリを追求する話(全10巻)。非常に密度の濃い場面が延々と続き、犯られる女だけでなく読み手も「もうヤメテ」と叫びたくなる。ツンツンした令嬢が堕ちていくサマを味わうにはテンポ速すぎ。特筆すべきは「大便」。浣腸の場面もキッチリと描かれているため、その臭いもちゃんと伝わってくる。読者が耐えられるかどうかは別として、これはエロではなく、ひたすらスケベな小説。

花と蛇

 ネットで知られている人でいうならば、「バブルの逆襲」の舞子さんや、「性的冒険」菜摘ひかるさんがエロで、「美佐子の告白」で有名な美佐子さんがスケベだろう。快楽の追求という麗句ではなく、(言葉どおり)ケモノのように振舞える美佐子さんから、ニオイがわきたってくる←あえてリンクしないので、せいぜいWayback[参照]して頂戴。

 二次元と三次元に違いがあるとするならば、それはエロとスケベだろう。二次元にエロはあってもスケベはまだまだ、においが漂ってくる話がない。二次元が三次元に絶対かなわないのは、そこ。あるいは、二次元で描かれる白痴&「らめぇ」な顔は、リアルでのスケベな瞬間の表情と全く異なる。いわゆる「イク」顔ではない。こればっかりはちゃんと自分の目で確かめないと。未見の方は、彼女・嫁を調教するなり開発するなり、自ら屈服するなり服従するなりした後で、堪能してくれ。

このエロマンガがエロい!2017

 聖なる夜に性なる本を。2017年に愚息を最も喜ばせたエロマンガをご紹介。

 注意すべきは、あくまで MY SON であってYOUR SON でないこと。趣味が違えば、好みも違う。なので、未読の方は「こんなのがあるんだー」と見ていただければいいし、既読の方は「それが好きならこれなんていかが?」と逆紹介していただけると幸甚です。

 エロマンガの山から、どうやって好みを見つけるか? 実はいまだに試行錯誤なのである。上手なマッチング方法を見つけたなら、ひと財産築けるほどだろう。ただ、一つの基準を設けている。

 それは、「やれたかも」ではないというラインである。[やれたかも委員会]では、もしかしたらあの子とヤれてたかもしれない......という男たちの美しい思い出が語られる。その、まさにその絶妙な閾値を超えた先のリビドーを生々しく展開している作品こそが、愚息にとっての傑作だ。あの日あの時あの場所で君とやれていたから、僕らは今では、どろり濃厚なまま、というシチュが良い。

 男女が一線を超えるのは簡単じゃない。めんどくさいし、後あと大変だし。そういう前提やら後処理やらをカッとばし、男にとって都合の良い世界が作り上げられているのがエロマンガというもの(都合が悪いのは現実だけで充分)。

 ただ、都合が良すぎると、今度はファンタジーじみてくる。リアルに寄りすぎると「やれたかも」になって何も始まらないし、ファンタジーに倒しすぎると食傷になる。行為にいたるプロセスや心情や動機付けにも目を配るし、行為そのものの真に迫る度合いも満足させねばならぬ。要するに、わたしの愚息は超めんどくさいのだ。

宵はじめ

こっぽり生ビール

宵はじめ

 まず、『宵はじめ』(こっぽり生ビール)、これは良い。連載中から息子が大変お世話になりました。ハタチ前後で経験浅めで、酔った勢いで迫ってみたものの意気地がなくて寄りきれず......あわや「やれたかも」になるパターンが、女の子の方から最後の一押しが来る。まんざらでもないどころか、実は逆で「このとき」を待っていたのだ、という「やれたかも」をリアルにするとこうなる。

 やりとりする会話のぎこちなさや、初めて同士による上手に出来なさ加減が、いちいち現実的で芯を食う。若さ故の初々しさと、若さに任せた豊満さが淫らでたいへんよろしい。あと、寒いところでまぐわうと、吐く息や体の内からのニオイが白く見えるんだよね。そういういちいちをきちんと書き込んでいるのが生っぽさを向上させる。大学生で、(下心とか抜きにして)トモダチとして部屋呑みしていたら、本気になだれ込むのが良い。「だめだよ、酔ってるからといってこんなことしちゃ...」「だいじょうぶ、わたし、酔ってないから」という会話に撃たれました。

群青ノイズ

きい

群青ノイズ

 次は『群青ノイズ』(きい)、やっぱり良いですな。エロスそのものも実用性が高いけれど、なぜそうなるかの恋愛パートが記憶にクる。情緒とリビドーの両方を強く刺激する汎用兵器なり。

 「大人になりつつある少女」ってのは、身体のラインが硬いはずなんだけれど、つかむと柔らかい。同時に、異性を怖いと思う反面、性を知りたい鎮めたい気持ちも高まっている。好奇心は子猫を殺す、悶々とした感覚を女側から描いた「LOVERS」がきれいだ。硬いのに柔らかい、怖いのに知りたいという「ありえなさ」が、少女の日焼け跡を女のカラダに残しているミスマッチによく映える。

 最も切ない思いをさせられたのは、「つめたい雨、やさしい君」だ。ボーイミーツガールから、トモダチ。そしてトモダチからだんだん仲良くなって......までの過程が走馬灯のように体位とシンクロするのだが、それが美しいとともに嫌な予感を招き寄せる。黒髪ロングの子猫みたいな子がお見舞いに来る話は、ずーっとニヤニヤしながら読んでいた。愚息を慰めるよりも、ほっこり幸せになるお話としても優秀なり。初版はエラい高値がついてしまっているので、12/27に発売される新版の予約をするべし。

33歳みだら妻

黒木秀彦

33歳みだら妻

 そしてラストは、『33歳みだら妻』(黒木秀彦)、これは生々しい。えっちなマンガなのだから、えっちに至るのは当然のつもりで読むのだが、当然のようにそんな展開にならないのが面白い。客観視しようとしている一人称の描き方なので、まるで性のドキュメンタリーを読んでいるような感覚に陥る。やれるのか、やれないのか、いかにもありそうなノリの中、すっと一線を超えてしまう。

 そして、いったん女のスイッチが入るやいなや、それまでの冗談っぽさをかなぐり捨てて、一気に欲望をまくしたてる。お願い倒せばやらせてくれるんじゃないかしらん、という「あわよくば」感が見事にキまる、ハまる快感が良い。

 たとえば、知り合いの人妻から「キスの練習をさせてくれ」という、揶揄ってるんだか誘ってるんだか分からないようなシチュから始まって、冗談のような本気のようなやりとりの後、ガッツり走る話。夫婦交換生活を互いにビデオチャットで常時モニタリングするというゲーム性の高いスワッピングの話。横に旦那がいるのにコタツの中でいちゃつくとか、めっちゃ幸せそうな情事なので、興奮するというよりも、読んでるこっちが楽しくなる。

 以上、愚息を幸せにした3冊でした。あなたのお薦めがありましたら、ぜひご教授くださいませ。来年は掃除朋具と幾花にいろの単行本が出るといいなー

 よいエロマンガで、よい人生を。

女の子の匂いを再現する方法

 女の子の匂いをご存知だろうか?

 漂ってくる「匂い」というより、すれ違うときにクる「あの感じ」といったほうがいい。あるいは、部屋に入ったとき、女の子がいる(いた)空気のようなもの。大事なのはカッコ()の中で、視覚的ものではない。「さっきまで女の子がいた部屋」でも分かるし、建物内ならある程度たどるのは可能だ。

 最初は、私の変態的妄想力が産み出した幻臭かと思った。「女の子って、どうしてあんなにいい匂いがするのだろう」と悶々したことがある。が、同志の意見を総合し、私の経験を重ねると、どうやら妄想ではなさそうだ。

 それは、いわゆる「せっけんの香り」だろうか。石鹸そのものに限らず、中高生が滴らせているシャンプーやボディケア香や、デオドラントのメチルフェノール系の匂いなどが相当する。そうした、後付けの合成香料をもって、我々は「女の子の匂い」とみなしているのだろうか。

 たとえば、「ビオレさらさらパウダーシート せっけんの香り」を使ってみたところ、かなりの再現率で「女の子のいい匂い」が味わえる。

ビオレさらさらパウダーシート せっけんの香り」はマジで理想の女の子の匂いがすると聞いて実際買って嗅いでみたんだけど、本当に衝撃的なくらい女の子の匂いだこれ…[togetterより]




 だが、これは刷り込みに過ぎない。かつてキンモクセイの香りでトイレを想起していたように、上書きされた代替記憶なのだ。そうした後付けではなく、もっと内側からくる「匂い」である。

ヴァギナ

 鋭い人は、排卵日直前のヴァギナの匂いを思い出すかもしれない。バルトリン腺や皮脂腺、アポクリン腺から分泌される粘液のもつ、ココナッツに似た香りだ(と言われるが、私の経験では白桃を想起させる)。これは、『ヴァギナ』はスゴ本【全年齢推奨】で紹介したことがある。

 この匂いが独特であることに、特別な理由があるのではとにらんでいる。つまりこうだ。人類史のほぼ大部分、夜は暗闇だった。今は電気があたりまえになっているが、常夜灯が無かった時代のほうがはるかに長い。暗がりの中、パートナーが女であり成熟していることを確認する術は、匂いだったんじゃないかと妄想する。それに加え、食の嗜好や体質、健康状態は、体臭に表れるものもある。すなわち、闇の中でパートナーを嗅ぎ分ける匂いであり、その匂いに敏感なことに適応的になっているのではと妄想する。

 だが、この匂いは、そうしたイベントフラグ的なものではなく、もっと日常的に感じられる。上書き記憶された香料でもなく、イベントフラグでもないのであれば、「女の子の匂い」の正体は何なのか?ヒントはネットにある。

女の子の匂いは高級脂肪酸と安息香酸エストラジオールとのことなので、以前混ぜてみたら、本当に若い女性が歩いた後を通ったときに感じる「あの匂い」ができた[twitterより]





 この高級脂肪酸や安息香酸エストラジオールとは何か? 高級脂肪酸は、天然の油脂およびロウの構成成分であり、リノール酸や、オレイン酸などの仲間がある。また、安息香酸エストラジオールは最初に製品化されたエストロゲン医薬品である[Wikipedia:安息香酸エストラジオール]。製造方法は特許で守られており、キッチンで合成できるものではなさそうだ。化学系の研究室なら揃っていそうだが、縁のない私には入手困難である。

 捨てる神あれば拾う神あり。需要あるところに供給あり。

 プロモーションやイベントで、「匂い」を使った空間演出を手がけるZaaZ(ザーズ)という会社がある。同社が開発したディフューザーは、マイクロミストを放出し、必要な空間を匂いで満たすことができる。面白いのはオリジナルな匂いを作ることができ、「西麻布のお寿司屋さんで仕込んだすし酢の匂い」とか「夏祭りでおじさんが鉄板で作った焼きそばのソースの匂い」など、実にさまざまな匂いがある[ZaaZ Energy]

 その中に、「お風呂上がりの女の子の匂い」がある。sankeibizレポート「“風呂あがりの女子の匂い”が買える時代」によると、こうある。

「モワっとした温度と湿度、そしてほのかな石けんの香りと、フローラル系のかすかな匂い。匂い自体は強いものではないが、複雑に混ざりあい、お風呂上がりの空気を感じられた」


 いいね! 喜び勇んで販売元に行ってみるが、もはやなくなっている模様……だが、諦めぬ。もうすぐ、VRを用いた性愛シミュレーターや、性交渉機能に特化したセクサロイド市場が一般化するだろう。視覚+触覚に対し「匂い」が売れることは必然なので、近いうちに東京ゲームショウで見かける(嗅げる)だろうから、そこでお試ししてみよう。個室ビデオやリンリンハウスのオプションになる日も近い。

 未来は今だ! ZaaZが設立した新会社VAQSOが、VR外付け匂いデバイスを開発したらしい。Playstation VR、Oculus Rift、HTC VRなど、様々なデバイスに装着可能で、女の子の匂いにも対応しているらしい。VRコンテンツと同期して、たとえば「銃を撃って何秒後に火薬の匂いを出す」ことも可能とのこと(参考:『女の子の香り』がするVR、実現へ──PSVR・Vive・Oculus対応の外付け匂いデバイス登場)。心のノートに彫っておけ。

悪魔が教える願いが叶う毒と薬

 もっと手軽に(≒安価に)再現できないものだろうか。答えは本にあった。『危ない28号』『アリエナイ理科ノ教科書』で有名な薬理凶室の新著『悪魔が教える願いが叶う毒と薬』である。

 本書は、サプリメントから処方薬、漢方薬から違法麻薬まで、願いごと別に集めて解説したものである。人の身体の代謝や反応は化学物質により引き起こされる。ということは、化学物質を用いることである程度コントロールできるという発想で、一般的な使用法から「裏の使い道」までを紹介してくれる。

 たとえば、リ●ップには「悪夢」の副作用を引き起こす、ミノキシジルという成分が含まれているという。これを、「死なない程度で悪夢を見る程度」服用する用量と方法が書いてある。あるいは、老いたマウスと若いマウスの血液を交換することで、老いたマウスが若返えったというレポートが紹介される。なんともジョジョの奇妙な実験だが、スタンフォード大学で2011年に実際に行われたものらしい。さらに、ひまし油を使った下痢チョコ(≠義理チョコ)のレシピが載っている。シャレにならないネタ満載だが、その中に、「女の子の匂いを合成する」があった。

 女の子の匂いの合成レシピは、2つ紹介されている。

 まず正式バージョン。匂い成分の元はカプリン酸とカプリル酸だという。これを1:1に配合した母液を用意して、そこにミルク香料とバニラエッセンスを加え、安息香酸エストラジオールを添加させることにより、再現できるらしい。

 さらにエタノールで希釈して散布することで、「部屋の中に女の子がいる」いい感じに仕上がるという。Playstation VRと非常に親和性が高そうだ。これをベースに「プチサンポン」を重ねがけすると、「お風呂上りの女の子」バージョンになるという。4DXやMX4Dと非常に親和性が高そうだ。

 ただ、一般家庭にない素材もあるため、本書ではもっと身近な食材を使った合成方法も紹介されている。材料はバターとバニラエッセンスの2つだけ。バターの低沸点揮発流分を分解するという。手順は次の通り。

  1. バターを試験管に入れてアルコールランプで加熱し、揮発したバターの成分をガラス管経由で氷水で冷やした試験管へ導き、液体として抽出する。抽出液は焼きたてのパンのような香ばしい匂いになる。
  2. 抽出液を透明な瓶に入れて、3~4時間直射日光に当てる。日光に含まれる紫外線によって適度な分解が起こり、バターの香りに少し鼻をつくようなツンとした匂いがプラスされる。
  3. 最後に、微量のバニラエッセンスを加えればできあがり。ツンと鼻をつくが、ほのかに甘い匂いで、女性の胸の谷間に分泌される芳香成分と非常に似ている
  4. さらにセッケン香水などを混ぜると、なかなか再現度の高い、女の子の匂いになる


 問題はステップ1。写真入りで分かりやすく説明してくれているが、試験管もガラス管もアルコールランプも持ってない。要するに、熱したバターの揮発成分を液体で集めればいいのであれば、蓋つきフライパンで事足りる。

Photo

 中の様子を確認するため、ガラスの蓋にして、とろ火で加熱しつつ蓋を水で冷やす(熱でビニールが溶けないように注意)。すると、蓋の内側に水滴が生じる。これを器に集めてラップして、あとはステップ2以降の通りに作るだけ。

 ひと嗅ぎしたら、プルースト効果に打ちのめされる。ほらあれ、『失われた時を求めて』の最初にある、紅茶に浸したマドレーヌの香りから、幼少時代を思い出すやつ。この「女の子の匂い」から、高校時代を思い出す。

 体育の後、女子は教室で着替えるやろ? 次の授業があるし男子は扉の外で待っているから大急ぎで着替える。8x4もそこそこに、女子全員が着替え終わった直後、まだカーテンも開けきっていない教室に足を踏み入れた瞬間の、「あの匂い」がそこにあった。「臭い」の二歩手前の、青い匂いである。懐かしさよりも恥ずかしさを思い起こさせる。

 私なりのアレンジとして、「クラブ ホルモンクリーム」をお勧めしたい。肌荒れを防ぐクリームで、女性ホルモンの一種であるエストラジオールが配合されている。

 これと、上で作成した「女の子の匂い」を配合させると、叔母さんの匂いそのものになった。三十前半ぐらいだろうか。一緒のお風呂で、体を洗いっこしたっけ(めちゃくちゃ反応していたことを告白しておこう)。今となってはマドレーヌ並みに甘い思い出だが、これでいつでも呼び覚ますことができる。

 「奥さんがいるなら嗅がせてもらえばいいんじゃね?」というツッコミがあるだろう。そんなことは分かっている。だが問題は2つある。我が妻は、変態的行為には手段を選ばず、くんくんしようものなら容赦なく反撃してくる。そして、妻の匂いは「女の子」ではなく、女の匂いそのものになっているのだ。

パフューム ある人殺しの物語

 「ば~~~~~~っかじゃねぇの!?」というツッコミは、その通りだと思う。ただ、そういう方には、汚濁にまみれ悪臭の立ち込める18世紀のパリで、異様なまでに「におい」に執着した男の物語『香水』をお勧めしたい。匂いの天才が、至高の香りを求める、「におい」の饗宴を嗅ぎたまえ(映画版は『パフューム』)。

 匂いは言葉より強い。どんな意志より説得力をもち、感情や記憶を直接ゆさぶる。人は匂いから逃れられない。目を閉じることはできる。耳をふさぐこともできる。だが、呼吸に伴う「匂い」は、拒むことができない。匂いはそのまま体内に取り込まれ、胸に問いかけ、即座に決まる。好悪、欲情、嫌悪、愛憎が、頭で考える前に決まっている。

 だから、匂いを支配する者は、人を支配する。匂いで人を操る彼が求めた「究極の香りを持つ少女の匂い」とは、「女の子の匂い」の完全体だったのかもしれない。

このエロマンガがエロい!2016

 今年の12月は、23日(祝)、24日(土)そして25日(日)というジェットストリームアタックで、色んな意味で消耗する。あつらえたかのような土曜日は、色んな事に励む恋人たちでリアルは充実し、電脳空間は閑散とするだろう。だからこの性夜、とびきりのエロマンガを紹介する。

 これからオススメするものは、年100作品を消化するわたしが厳選を重ねた逸品ばかり。広さと深さを追求した[スゴ本ブログ]とは異なり、誰もが知ってる王道ばかりかもしれぬ。だが、それはそういう趣味に近い作品を並べたリストとしてご笑覧いただければと。

 では、どういう趣味か(←これ重要)。ニーズに合わない作品を押し付けられても辟易するだけ。なので、わたしのニーズをまとめるとこうなる。

 1. 女の子がまんざらでもない感じ
 2. 乳お化け苦手、断面図は慣れた
 3. 現実的な肉付き
 4. 暴力・闇オチは好きだけど非実用的
 5. イキ顔イキ声重要

 まず1のシチュエーション。「まんざらでもない感じ」が大切だ。弱みを握られたり実は秘かに好きだったという設定が前段で描かれ、「しししし、しよーがないなー」と言いながら応ずるのがベスト。2や3の描写は「好み」。ロケット巨乳よりも、ささやかな方がソソるし、下腹・腰周り(≠尻)にわずかに贅肉が描いてあると、「こいつ分かってる」と思う。4.はまんまで、5.は、あえぎ声が堪えている「ん」音から慎みがなくなる「あ」音に変わるとリアルに感じる。

 この趣味で、今年読んできた中で、ベスト3は、これになる。


放課後バニラ

きい


放課後バニラ

 20代前後の初モノが基本。やわらかい絵柄で描かれた、甘酸っぱい青春モノに、ドスケベな情交がついてくる。そのギャップがファンタジーでありドキュメンタリーであり、「やれたかもしれない世界線」なのだ。お互いに好意を持ってて性に興味はあれど、「その一線」をどうやって越えるかが腕の見せ所。たとえば、修学旅行の夜にシてるのをミちゃったとか、就職面接のために上京してきた姪がシャワーから出たところと鉢合わせしたりとか。日常的な交友関係を超えるハプニングの持って行きかたが抜群にうまいのだ。行為の場面のギャップは特筆に価する。あの清純な笑顔の裏にこんなにえっちで愛たっぷりのドロドロ顔&局部を隠していたなんて……! 彼が好きだ! という気持ちが溢れていて、読んでるこっちがニヤけてくる。


とくべつな毎日

柴崎ショージ


とくべつな毎日

 高校生がメイン。田中ユタカを思い出させる顔つきに、よりリアルな体つき(つまり、胸はそんなに大きくないし、腰つきは現実的にしっかりしているし、ふくよかな子はふくよかに描かれている)。アニメ的なデフォルメされた胸尻でないのがいいのだ。田舎のフツーの、どちらかというと優等生カップルの恋愛が、ふっと一線を越えてしまうのがまたいい。私が高校生のときにしたかった恋(けれども絶対にありえない)が、私のために描かれているかのようで胸熱になる。えっちな場面も「ふつうにえっち」なのがいい。アクロバティックな体位や妙な技巧なんてなく、ひたすら愛し合う姿がこれまた生々しい。


ぱんでもにうむ

なぱた


ぱんでもにうむ

 これはエロい。シャープな線でスレンダーな身体なのに、その場所は柔らかそうに描いてある(これはすごい)。義兄妹とか許嫁とか、疑似家族から結ばれる変化球的な恋。好き同士が結ばれるのはいいとして、ひたすら快楽をむさぼる女の子の姿は、性の喜びを知りやがって……! と言いたくなるが、ひたすら羨ましいぞ。これも清楚な表情だったのが欲情に歪むギャップを愉しむもの。これ、イクときの「~~~っっ」的な顔が素晴らしい。自分の身体についてあらためて驚いており、その快楽を怖いくらいに感じている姿が可愛らしい。萌え出るような控え目な若草もいい。無毛が流行る昨今、リアルに描かれているのはポイント高し。

 あらためて振り返ると、若者同士の貪るような性愛を(感情面も含めて)しっかり描いているのが好みのようだ。これはいわば、代償行為やね。わたしにとって、「なかった性春」の記憶を、エロマンガで上書き保存しようとしているのだろう。実用に供することもあるが、ときどき、甘酸っぱい気持ちになりたいときに恋愛パートだけ読み返したりしている。

 以上、3作品を紹介したが、「それが良いならコレなんてどう?」というのがあれば、是非ゼヒお薦めしてほしい。巨乳・断面・性奴隷のファンタジーではなく、相思相愛ラブラブな読ませるやつを、お願いいたしまする。
プロフィール

Dain5

Author:Dain5
スゴ本より成人向のキッツいのを。
いいのがあったらご教授を。

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